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建築設備定期検査

中央管理室・防災センターの設置基準について

たまに、検査・調査作業中に「中央管理室はどちらですか?」と他業者の方々に聞かれることがございます。

防災センターという呼び名は聞きなれているのですが、中央管理室という呼び名はあまり聞きなれないのが現状です。

そこで、今回は私共が日々行っている定期報告の内容とは少し異なっている感じではありますが、検査・調査の際には出入りさせていただいているのが現状なので、知識を深める観点からも、中央管理室防災センターの違いについて調べてみました。

実際には2つは全く違うものでした。

中央管理室は建築基準法上の必要な設備であり、非常用のエレベーターや排煙設備、空気調和設備の制御等の監視を行う役割を担っています。

それに対し、防災センターは消防法上の必要な設備であり、消防設備等の監視や操作等を行う室のことを指しています。

しかしながら、近年は効率的な運用等、複雑な事情があり今日現在、お互いの役割を兼ねて運用されている施設も増えてきているのが現状です。【防災センターの設置場所については、守衛室やその他これらに類する場所(管理人等、常駐している場所)の他に 建築基準法で定められた中央管理室がその役割を担って良いことになっている為、中央管理室防災センター)と 室名が重複して表示されている場所もございます。】

では、私共の業務に関連している中央管理室の設置基準とはどのようなものなのか、

そちらについては建築基準法施行令第20条の2第2号に記述がございましたので、ご紹介させていただきます。

中央管理室の設置基準について

まず、中央管理室を設置しなければならない対象は

①非常用のエレベーターを設置している建築物

②床面積が1000㎡を超える地下街

③それらに供する空気調和設備(機械換気設備)および、排煙設備

高さ31mを超える建築物には非常用のエレベーターの設置義務があります。その非常用のエレベーターについては、避難階又はその直上・直下階の乗降ロビー及び、中央管理室において操作出来なければなりません。また、3階建以上の建築物で非常用の進入口を設けることが出来ない等の場合でも、代替措置として非常用のエレベーターを設ける場合がございます。従って、中央管理室が設置されているのは必ずしも高層建築物、または規模が大きな建築物に限定された話ではございません。また、床面積が1000㎡を超える地下街も中央管理室の設置義務が発生します。

では、非常用のエレベーターの設置基準や構造等をご説明致します。

【非常用の昇降機(エレベーター)の設置及びその構造】

建築基準法施行令 第129条の13の3

法第34条第2項の規定による非常用の昇降機はエレベーターとして、その設置基準や構造については第129条の4~10までの規定によるほか、この条項に定めるところでなければならない。

2 前項の非常用の昇降機(以下非常用エレベーター)の数は、高さが31mを超える階の床面積が最大になる階における床面積に応じて下記のように記す数以上として、2以上の非常用エレベーターを設置する場合には、避難上及び、消火上の観点からも有効な間隔を保った状態で設置をしなければならない。

・高さが31mを超える階の床面積が最大になる階における床面積において、1,500㎡以下の場合の非常用エレベーターの数は【1台】

・高さが31mを超える階の床面積が最大になる階における床面積において、1,500㎡以上の場合の非常用エレベーターの数は1,500㎡以下の場合の非常用エレベーターの数【1台】に加え、3,000㎡以内を超えるごとに【1台】づつ増やす

(6) 予備電源を有する照明設備(非常用の照明装置)を設ける。

(7) 非常用エレベーターの床面積は、1台につき10㎡以上とする。

(8) 屋内消火栓や連結送水管の放水口、非常用コンセント設備等の消火設備を設置出来るものとする。

(9) 乗降ロビーには見やすい形で積載量や最大定員のほかに非常用エレベーターであることを明記している標識を設置する。また、避難階における避難経路、その他避難上必要な事項を 明記した標識も合わせて設置する。尚、非常事においてその旨(標識等)を明示できる表示灯その他、これに類する設備を設ける。

4 非常用エレベーターの昇降路には、非常用エレベーター2基以内ごとに、乗降ロビーに通じている出入り口及び機械械室に通じている鋼索、電線、その他のものの周囲を除き、かつ耐火構造の床及び耐火壁で囲まなければならない。

5 避難階においては、非常用エレベーターの昇降路出入口(第3項に規定する構造の乗降ロビーを設けた場合は、その出入り口)から屋外への出口(道又は道に通じている幅員(道幅)4m以上の通路、空き地その他にこれらに類するものに接している部分に限定)の一に至る歩行距離は30m以下としなければならない。

6 非常用エレベーターのかご及びその出入り口の寸法並びにかごの積載量については、国土交通省が指定する日本工業規格(JIS)が定める数値以上でなければならない。

7 非常用エレベーターには有事の際にかごを呼び戻す装置(各階並びに、非常用エレベーター内に設置されている通常時に使用する制御装置の機能を停止させて、かごを避難階またはその直上・直下の階に呼び戻す装置のこと)を設け、かつ、当装置の作動には、避難階又はその直上・直下の階の乗降ロビー及び中央管理室において操作出来るものでなければならない。

8 非常用エレベーターには、有事に際して使用を目的とする電話装置を設けなければならない。(中央管理室とやりとりを行う為)

つづきまして、換気設備の技術的基準をご説明致します。

【換気設備の技術的基準】

建築基準法施行令 第20条の2

法第34条第2項に規定される建築物または各構え(外壁や門等)の面積の合計が1,000㎡を超える地下街に設ける機械換気設備(一の居室やその他の建築物のみに係わるものは除く)及び、中央管理方式の空気調和設備の制御及び作動状態の監視については該当建築物・同一敷地内の他の建築物又は、一団地内にある他の建築物内にある管理事務所、守衛所、その他常時該当建築物を管理する方が、勤務する場所で、避難階又はその頂上・直下の階に設けたもの(以下「中央管理室」という)において行うことが出来るものであること。

最後に、排煙設備の技術的基準をご説明致します。

【排煙設備の技術的基準】(構造)

建築基準法施行令 第126条の3

11 法第34条第2項に規定する建築物又は各構え(外壁や門等)の床面積合計が1,000㎡を超える地下街に設置されている排煙設備の制御及び作動状況の監視については、中央管理室において行うことが出来るものとする。

以上が中央管理室の設置についての基準となります。

防災センターの設置基準について

消防法施行規則第12条8

高層階を有する建築物、大規模な建築物、その他の防火対象物の中で、次のイ~ハに揚げるいるものに設置されている屋内消火栓設備には、当該設備の監視業務、操作業務などを行うことが出来て、かつ、消防庁の長官が定める基準に適合する総合操作盤【総合監視盤】(消防用の設備等、または特殊消防用の設備等の監視、操作等を行うために必要な機能を備えている設備のこと。以下同様)を、消防庁の長官が定める該当する設備を有する防災センター(総合操作盤【総合監視盤】その他に類する機能を備えた設備を有し、防火対象物の消防用の設備等又は、特殊消防用の設備等、その他に類する防災の為の設備を管理する場所。以下同様)、 中央管理室(建築基準法施行令 第20条の2第2号に規定されている中央管理室を指す)、守衛室やその他これらに類する場所に設けること。

イ 令別表第1(1)項~(16)項までに揚げる防火対象物で、次のいずれかに該当するもの

 (イ)延べ面積が50,000㎡以上の防火対象物であること

 (ロ)地階を除く階数が15階以上で、かつ、延べ面積が30,000㎡以上の防火対象物であること

ロ 延べ面積が1,000㎡以上の地下街であること

ハ 次のいずれかに該当するもの(上記「イ」又は「ハ」に該当するものは除く)の内、消防長または消防署長が火災予防上必要があると認め、指定するもの

 (イ)地階を除いた階数が11階以上で、延べ面積が10,000㎡以上の防火対象物

 (ロ)地階を除いた階数が5階以上で、延べ面積が20,000㎡以上の特定防火対象物

 (ハ)地階の床面積の合計が5,000㎡以上の防火対象物

以上が防災センターの設置についての基準となります。

ちなみに、消防法で防災センターは有事の際、消防隊が安易に出入りできる場所(避難階)に設置することが義務づけられています。(ただし、消防隊等が安易に出入り出来る場所の場合は、避難階の直上・直下に設置も可能です。)こちらに関しては上記でも説明致しましたとおり、中央管理室が防災センターの機能を担っている建築物もある為、中央管理室にも同様のことが言えると考えます。

これらのように、類似用途の居室について呼び名を変えているということは、それぞれ違う役割を担って運用されていることを痛感させられました。

排煙設備

排煙設備の特徴

当然のことながら、排煙設備には自然排煙設備と機械排煙設備がある。自然排煙設備とは機械動力等を使用せず、煙の上昇をする現象を利用して、煙を建物外部に排出する方法である。具体的には外壁及び天窓を設置することにより、煙を外部に排出する方法である。採光、通風のための窓と兼用する場合と、排煙窓と呼ばれる専用窓を設置する場合の2種類の方法がある。 機械排煙ですがこちらは機械の動力を利用して煙を外部に排出する方法である。一般的に天井面に排煙口を設け、ダクトを接続して煙を外部に排出する方法である。

排煙設備の設置基準

特殊建築物で延べ床面積500㎡を超えるもの、特殊建築物で無い場合においても、3階以上で500㎡を超えるものについては、排煙設備が必要となる。しかし、例外として建物高さが31m以下の居室で100㎡以内毎に防煙垂れ壁、防煙壁で区画されている部分については、設置が免除される。 建物の規模にかかわらず、居室で解放出来る部分(天井から下方80cm以内の距離にある部分)の面積が、その床面積の1/50以上を確保できない場合、または、延べ床面積1000㎡を超える建築物の居室で200㎡以上のものにも排煙設備が義務付けられている。

排煙設備が不要となる建築物として 病院・診療所・旅館・共同住宅・寄宿舎・児童福祉施設等で100㎡以内に準耐火構造の壁(開口部は防火設備)で区画された場合は免除となる。(共同住宅は200㎡以内)共同住宅は、各居室ごとに準耐火以上の壁で仕切られていれば各居室の排煙設備は不要となる。また、学校系の建物にも排煙設備が不要となり、階段室・EV・EV乗降ロビーにおいても不必要となる。 工場内の倉庫においても不燃性のもの保管する場合は排煙設備が不要となる。

まとめ 人が寝泊まりする施設、学校等の教育施設、火災の可能性が低い倉庫以外が排煙設備が必要と見なされる。

排煙設備の構造について

排煙設備が必要なな場合、対象個所を500㎡以内に防煙壁(不燃材料で作った壁もしくは防煙垂れ壁で天井より50㎝以上 下に突き出たもの)で区画しなければならない。そして、その区画したどの場所からも水平距離で30m以内に排煙設備(排煙口)を設けなければならない。

自然排煙設備

自然排煙の場合は、排煙窓によって排煙口を確保することになる。排煙口の面積においては、防煙区画された部分の床面積の1/50以上の面積を有することとする。また、上記で述べたが、排煙口で有効とされる天井面から80cm以内の範囲となるので注意が必要である。

機械排煙設備

機械排煙設備の場合、排煙機の能力は1分間あたり120㎥以上で、かつ防煙区画の床面積1㎡につき1㎥の排出する能力を有することが条件とされる。また、予備電源を必要とされる場合として、高さ31m超える建物の場合は、排煙設備の制御作業状態を中央監視室にて行えようにすることが必要とされる。また、排煙口は不燃材料とし、排煙風道は不燃材料から15cm離さなければならない。

排煙設備の免除規定

抜粋 建築基準法施行令(以下「令」という)第126条の2 第1項第五号に規定する火災が発生した場合に、避難上支障のある高さまで、煙等の降下が生じない建築物の部分は次に掲げる部分とする。

一から三 省略

四、 次のイから二までのいずれかに該当する建築物の部分

イ、 階数が2以下で、延べ面積が200㎡以下の住宅又は床面積の合計が200㎡以下の長屋の住戸の居室で、当該居室の床面積の1/20以上の換気上有効な窓その他の開口部を有するもの。

ロ、建築基準法 第27条第2項第二号の危険物の貯蔵場、又は、処理場、自転車倉庫、通信機械室、繊維工場その他これらに類する建築物の部分で、法令の規定に基づき、不燃性ガス消火設備又は粉末消   火設備を設けたもの。

ハ、 高さ31m以下の建築物の部分(法別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物の主たる用途に供する部分で、地階に在するものを除く)で室(居室を除く)にあっては(1)又は(2)に居室にあっては(3)又は(4)に該当する。

(1)、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材とし、且つ、屋外に面する開口部以外の開口部のうち、居室又は避難の用に供する部分に面するものに法第2条第九項のニロに規定する防火設備で令112条第14項第一項に規定する構造であるものを、それ以外ものに戸又は扉をそれぞれ設けたもの。

(2)、床面積が100㎡以下で令第126条の2第1項に掲げる防煙壁により区画されたもの。

(3)、床面積100㎡以内ごとに準防火構造の床若しくは壁又は法2条第九項びニロに規定する防火設備で令112条第14項第一号に規定する構造であるものによって区画され、且つ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料としたもの。

(4)、床面積が100㎡以下で、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを不燃材料とし、且つ、その地下を不燃材料で造ったもの。

二、高さ31mを超える建築物の床面積100㎡以下の居室で、耐火構造の床、若しくは壁又は、法第2条第九項の二に規定する防火設備で令第112条第14項第一に規定する構造であるもので区画され、且つ、壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材でしたもの。

排煙上有効な開口と排煙設備の違い(排煙上有効な開口)

令116条の2第1項2号で要求される、「排煙上有効な開口」は「居室」について、所定の高さにある開口部のことを指す。この開口部は開けば良く、手動開放装置や防煙垂れ壁等とはことなる認識ににある。令116条の2では、いわゆる1/50開口されれば良く、手動・電動でも構わない(引違い・オペレーターやチエーン・押し棒で開放する、うち倒し、外倒しの窓でも、人間の力で開けば良い)取り付け位置が天井面より80cm以内の規定がある。この開口が取れない場合は、排煙無窓の居室となり、令126条の2に該当することとなり、その居室には初めて排煙設備が必要となる。

排煙設備について

排煙設備と排煙上有効な開口とは、全く別ものとわかるとおり、令126条2により要求される排煙設備は、令126条の3により、その構造や仕様が決まっている。 排煙設備は開口部の仕様だけでなく、500㎡以内で有効な防煙区画を形成する必要がある等の計画が必要である。

排煙設備の設置条件 (用途・規模)

令126条の2に規定されているとおり、用途+延べ面積500㎡以上と階数3+延べ面積500㎡以上となっている。複合用途のがある場合、特殊建築物に該当する用途部分の延べ床面積500㎡以下であっても建築物全体が排煙設備設置の対象となります。建物全体ということは、共用部といわれている、廊下・トイレ・給湯室・更衣室の非居室にも設置義務あり。たとえば2階建て1階が400㎡の物販店舗と2階が400㎡の事務所ある場合についても、排煙設備の設置義務があります。

建築基準法に基づき設置される排煙設備等

1.建築基準法上排煙設備の設置が免除される構造、面積、内装等を加えても、消防法上の排煙設備は設置の免除とはならない。

2.給気口(給気用の風洞に接続されているものに限る)が設けられている防煙区画であり、給気口からの給気により煙を有効に排除する場合においては、排煙口を設置する必要がなく、これは、消火活動拠点には、給気口からの給気により煙を十分に排除することが出来る場合、排煙口を設置する必要が無いと解釈できる。消火活動拠点拠点には、給気口のみ存し、隣接する防煙区画の排煙口から排煙する等の加圧排煙方式の排煙設備の設置を想定したものである。

3、建築基準法においては、排煙機・給気機と接続していない直接外気に接続する風洞も認められ、消防法では、消火活動上必要な風洞を確保するため、風洞は排煙機又は、給気機に直接接続する必要がある。

4、排煙設備の機能確保の為、消火活動拠点(特別避難階段の附室・非常用EVの乗降ロビーその他、これらに類する場所)に設ける排煙口又は給気口に接続する風洞は自動開閉装置を設けたダンパーを接続しなければならない。

5.排煙機・給気機は点検が容易で、かつ火災の被害受けない場所に設置されなけばならない。

6.消火活動拠点への給気は消火活動上必要な量の空気を供給することできる性能を有し、空気の供給することが出来る性能の給気機又は直接外気に接する給気口より行うこととされており、給気機風量は具体的に規定されていない。

7.特別避難階段の附室が消火活動拠点に該当する場合は、全館避難安全検証法により、構造等の免除は認められないとすること。

排煙設備まとめ

排煙設備は、火災時発生する煙を外部(屋外)に排出して、消火活動を円滑に行うことを支援して、設置した設備である。排煙機・起動装置・電源・風道等より構成されている。

用語の定義

1.排煙設備とは、排煙機・給気機・排煙風道・給気風道及び付属施設をいう、換気設備又は排煙に利用できる空気調和設備(ルームエアコン等の調和機を除く)を兼ねていることも含むものとする。        2.風道とは排煙上又は給気上及び保安上必要な強度・容量及び気密性を有するもので、排煙機又は給気機に接続されているものをいう。                                            3.防煙壁とは、間仕切り壁、天井面から50cm(令第28条第1項第1号に掲げる防火対象物にあっては80cm)以上下方に突出した垂れ壁その他これらと同等以上の煙の流動を妨げる効力があるもので、不燃材料等加熱により容易に変形又は破損しないものであること。                                                                                           4.防煙区画とは、防煙壁によって床面積500㎡以下区画された部分をいう(令28条第1項第1号に掲げる防火対象物は300㎡)                                                   5.給気口とは、防煙区画内における開口部で、排煙及び給気時においては、当該部分への空気の流入に供される開口部をいう。                                                  6.空気流入口とは、舞台部に設けられた、防煙区画の開口部で、排煙及び給気時において当該部分への空気の流入に供されたる開口部をいう。                                       7.排煙口とは、防煙区画内における排煙風道に設ける煙の吸入口及び直接外気へ煙を排出する排出口をいう。                                                            8.排煙出口とは、排煙風道に設ける屋外への煙ほ排出口をいう。                                                                                         9.付属設備とは、非常電源・排煙切り替えダンパー、給気口に設ける垂れ壁、その他の排煙のために設けられるすべての器機をいう。                                              10.排煙方式は機械排煙方式・加圧防排煙方式・自然排煙方式等をいう。                                                                                   11.機械排煙方式とは、排煙機を作動させ煙を外部に排出する方式である。                                                                                  12.加圧排煙方式とは、特別避難階段の附室・非常用EVの乗降ロビー等に機械給気加圧を行い、外部からの煙の流入をさまたげるものであり、加圧された部分には、排煙上の処置が必要である。       13.自然排煙方式とは、直接外気接する排煙口より排煙する方式である。                                                                                    14.消火活動拠点とは、特別避難階段の附室・非常用EVの乗降ロビーその他、これらに類する場所で消防隊の消火活動の拠点となる防煙区画をいう。

防火設備

政令で指定する防火設備の考え方

*防火設備設備員・建築士が検査対象としているものは、建築物として報告対象(報告していない物件等は対象外)となっているものに設けられている防火設備とする。

*ただし、竪穴区画・異種用途区画は建築物の規模にかかわらず適用されている規定であることを考慮しており、病院・有床診療所・児童福祉施設等のうち高齢者等の就寝用途に供する物については、規模にかかわらず、防火設備検査員・建築士による検査対象とする。

*それ以外の防火設備は、特定建築物調査員・建築設備検査員・建築士による調査。検査対象とする。

防火設備検査員による検査対象なる建築物

*随時閉鎖式の防火設備  火災感知器およびシステム制御等、火災時に自動で閉鎖する防火設備については。機構が高度化しているため、専門性の高い防火設備検査員が検査を実施する、(防火シャッター・防火扉等・煙感知器で作動するもの)

特定建築物調査員・建築設備検査員が検査出来る防火設備

*常時閉鎖式の防火設備(常閉の防火扉)閉鎖機構が簡略化している防火設備・(特定建築物調査員)による調査ができるもの。

*外壁の開口部に設けられている、防火設備  防火設備と比較すれば重要性が高くなく、(特定建築物調査員)による調査ができるもである。

*防火ダンパー  建築設備検査員による検査でおこなう。

定期報告の対象となる用途・規模(防火設備の用途・規模)

 対象用途                                      対象用途の規模

*劇場・映画館・演芸場                                                              1. 3階以上の階にある  2. 客席の床面積が200㎡以上  3. 主階が1階にないもの   4. 地階にあるもの

*観覧場・公会堂・集会場                                                            1. 3階以上の階にある  2. 客席の床面積が200㎡以上  3.  地下階にあるもの

*病院・有床診療所・旅館・ホテル・就寝用福祉施設                                            1. 3階以上の階にある  2. 客席の床面積が300㎡以上  3.  地下階にあるもの

*体育館・博物館・美術館・図書館・ボーリング場・スキー場・スケート場等                               1. 3階以上の階にある  2. 客席の床面積が2,000㎡以上  

*百貨店・展示場・遊技場・料理店・飲食店・物販店舗                                            1.3階以上の階にある  2. 2階床面積が500㎡以上  3. 床面積が3,000㎡以上   4. 地階にあるもの

防火区画の目的

防火区画の目的は、火災の拡大を防止するである、建築物内部といくつかの部分を区画して、火災をその区画内に閉じ込めてしまうことで、火災の延焼拡大を防止し、被害を最小限にとどめることができると、同時に、避難。消火、救護活動を容易にすることができます。これは、面積区画に限らず竪穴区画、異種用途区画も同様で、大規模建築物の防火避難規定の基本であることといえます。また、全館避難安全検証法を行うことにより、高層区画、竪穴区画は緩和することが可能ですが、面積区画は施行令112条に規定されている以外は緩和する方法はありません。

面積区画の種類

放火壁による区画(法26条)

面積区画というと、施行令112条に規定される内容ばかりに、意識されがちですが、法26条に規定される防火壁も面積区画の一種と考えることが出来る。

施行令112条による防火区画(法36条)

施行令112条の第1項から第4項までが、面積区画の規定です。 第1項から第3項までは、建築物の耐火性能等により、要件等を定めており、第4項までは、第2項、第3項に関しては、除外規定を定めている構成である。また、第1項には、スプリンクラー等を設置した場合の緩和処置や、ただし書きによる除外規定を定めている。それぞれの条項については、以下に説明します。

令112条第1項の規定について(1500㎡区画)

一番大事な所である、令112条第1項に該当する防火区画が必要な建築物とは、いわゆる「任意で耐火建築物、もしくは準耐火建築物としたもの」が該当します。逆に、令112条2項や3項は、耐火要求のある特殊建築物や耐火・準耐火地域内の建築物などに対する規定により、建築物に所定の耐火性能をもたせるのが対象です。 令112条1項の適用を受ける例として多いのは、法26条の防火壁の設置を免れるために、耐火性能をもたせた場合であり、計画によっては、防火壁を設けたほうが良い場合もある。

抜粋  第102条 主要構造部を耐火構造とした建築物又は法二条第9号の三 イ若しくはロのいずれかに該当する建築物で、延べ面積(スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消化設備その他これらに類するもので、自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面面積を除く。以下この条において同じ)が千五百㎡をこえるものは、床面積の合計(スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消化設備その他これに類するもので、自動式のものを設けた部分の床面積の二分の一に相当する床面積を除く。)千五百㎡以内ごとに一時間準耐火基準(第129条2の3第1項第1号ロに掲げる基準(主要構造部である壁・柱・床・はり及び屋根の軒裏構造が同号ロに規定する構造方法をもちいる又は同号ロの規定による認定をうけたものであることに係る部分に限る)をいう。以下同じ)に適合する準耐火構造の床もしくは、壁又は、特定防火設備(第109条に規定する防火設備であって、これらに通常の火災による加熱が加えられた場合に、過熱開始後1時間当該加熱以外の面に火災を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いたもの又は、国土交通大臣認定を受けたものをいう以下同じ)で区画しなければならい。ただし、次の各号に該当する建築物の部分でその用途上やむを得ない場合においてはその限りではない。                                                                                                                           

一 劇場・映画館・演芸場・観覧場・公会堂又は集会場の客席・体育館・工場その他これらに接する用途に供する建築物の部分。

二 階段室の部分又は昇降機の昇降路の部分(当該昇降機の乗降のための乗降ロビーの部分を含む。)で一時間準耐火基準に適合する準耐火構造の床若しくは壁又は特定防火設備で区画されたもの。

令112条第2項の規定について(500㎡区画)

令112条第2項は、いろいろな条文が関連していて構成されているため、かなり複雑である。

法第27条3項(耐火又は準耐火建築部の要球)、法第62条第1項(準防火地域内の建築物)、法第67条の3第1項(特定防災街区整備区内の建築物)の規定により、準耐火建築物とした建築物物対象となりますが、(~を除く)により、準耐火建築物(ロ-2)と(イ-1)が除外とされています。耐火建築物については記載がなく、耐火建築物は第1項の規定をうけるものとする。

令112条第2項により面積区画が要求される、準耐火建築物(イー2)と(ロー1)は、それぞれに求められる性能をよく確認するとわかるが、屋根や外壁以外の主要構造部について、防火上の処置が求められていません。そのため、延焼の恐れが、他の仕様の準耐火建築物より大きいと判断されるため、500㎡以内ごとに、面積区画を施す必要がある。

さらに、区画だけでは足りないということでしょう、防火上主要な間仕切り壁についても準耐火構造とすることが要求され、小屋裏、天井裏に達せなければなりません。なお、強化天井などの措置を行った部分はおぞかれれる。

令112条第3項の規定について(1000㎡区画)

法第21条第1項(大規模木造)ただし下記の規定により準耐火(イー1)としたもの、法第27条第1項(耐火建築物)の規定により特定避難時間が1時間以上である特定避難時間倒壊等防止建築物としたもの、法第27条第3項、法第62条第1項、法第67条の3第1項により準耐火(イー1)もしくは(ロー2)としたものは、1000㎡以内毎に防火区画をもうけなければならない。 令112条第2項の準耐火建築物よりは、延焼に対して一定の防火性能を有していることから、第2項ほどこ細かくは区画する必要はない。

防火区画の緩和 スプリンクラー設備等の設置部分

令第112条第1項に(スプリンクラー設備・水噴霧消火設備・泡消化設備その他これらに類するもので、自動式のものを設けた部分の床面積の2分の1に相当する床面積を除く)これが、防火区画における(面積の倍読み)である。 ここで注意が必要とするものは、スプリンクラー等の自動消火設備を設置した(部分だけ)を(倍読み)できるものであり、建築物全体に及ぶものではない。 延べ床面積2000㎡の耐火建築物があるとして、自動消火設備を設置した部分が1000㎡、未設置1000㎡あるとします。この場合には、自動消火設備を設置した部分の床面積の2/1が区画対象から除外されるため、(1000-500)+1000=1500㎡が防火区画が必要な面積となり、1500㎡を超えてないため、面積区画が不要となる。 結論からすれば、1500㎡区画が必要な建築物の場合、建築物全体に自動消火設備を設置すれば、3000㎡まで面積区画が不要となる。また、スプリンクラー等の自動消火設備を設置した部分の緩和規定は、面積区画に限らず緩和規定となっている。

面積区画適用除外について

面積区画が不要となる建築物

* 工場で、連続した生産設備等の設置により大空間を要する部分

* 劇場や映画館、集会所の客席部分

* 体育館・ボーリング場・屋内プール・屋内スポーツ練習場のホール・アリーナに該当する部分

*不燃性の物品保管の為の倉庫

*卸売上・仲買売場

>買い物の保管や積み込みのための荷捌き場

防火設備まとめ

防火設備とは、建築物の外部からの延焼防止や内部の火災拡大防止のためのもので、外壁や防火区画等開口部に設けられている防火戸その他の、火災を遮る設備のことである

建築設備定期検査 法改正

群馬県 前橋市における大型物販店舗の非常用照明装置の建築設備定期検査を実施いたしました。

群馬県においては、昨年6月の法改正により、国土交通省 指針によれば建築設備定期検査・検査該当の建物は、

機械排煙設備及び別置型非常照明装置が設置している建築物となっており、上記 設備が設置されて

いない建築物に関しては、検査義務が無く、建築設備定期検査の検査義務がなくなりました。

しかしながら、特定建築物定期調査の調査範囲での非常用照明装置は必要です。

今回は、特定建築物定期調査の調査項目(結果表)の範囲内において、内蔵型非常用照明装置に関して

建築物調査を実施いたしましたので、記載させていただきます。

こちらの大型物販店舗には、約1,000灯ほどの内蔵型非常用照明装置が設置されており、天井高が4.5mあることから

点検棒による点灯試験は困難であり、外部設置の電灯分電盤による、(不足電圧)作動による、点灯試験を実施いたしました。

まず、検査基準の非常用照明装置の点灯時間が30分であり、白熱灯非常用照明装置であることから、明るさは、1ルックス以上の法基準を

満たすことをこころ掛けて、点灯試験を実施いたしました。

なるべく、従業員様・ご来店のお客様に。ご迷惑がかからぬよう配慮して、点検業務を行っております。

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特定建築物定期調査・検査基準

五月の連休明けに群馬県 高崎市の大型物販店舗における建築設備定期検査・特定建築物定期調査を実施いたしました。

前回の伊勢崎市の大型物販店舗同様に自然排煙設備における検査基準について、記載させていただきます。

この自然排煙設備の設置基準については、以前に記載させていただいたとおり、機械排煙機が設置場所に関しては、

バックヤードの荷捌場及び通路のみに設置されていることが多く、設置高は床面3m位の高度で、脚立が届く範囲では、かなりハイレベルの定期検査と

なっておりました。

調査対象のオペレーター作動確認については、前日同様に自然排煙口・作動用のワイヤーの緩み、グリス切れ、窓枠パッキングの劣化等点検業務を

実施しております。 また、開閉作動用オペレーターについても必ずカバーを取りはずし、ギヤー部の歯車の欠損等の確認および、ブレーキのON・OFF

の動作確認については、必ず実施しております。

今回の物件についても、自然排煙口の半数が開放せず、故障原因のオペレーター内部のワイヤー巻き取り部の混線については、再度巻き取りを実施

させて頂き改修完了とさせていただきました。

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